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介助犬普及推進室(わんこの手)

 吉備高原医療リハビリテーションセンターでは、一人でも多くの方に前向きな社会復帰を果たしていただきたいという願いから、介助犬普及推進室(わんこの手)を立ち上げました。

当センターの介助犬のサポート

 当センターのリハビリテーション医療の特徴は、ケガや病気で脊髄の損傷を負った方(脊髄損傷者)が多いことです。介助犬使用者の約6割が脊髄損傷者であることから、介助犬と脊髄損傷者のパートナーシップが良いことがわかります。
介助犬普及推進室は、脊髄損傷者と日本介助犬協会との懸け橋となるべく、以下のようなサポートをさせていただいております。

  1. パンフレット・動画等で介助犬の紹介をします。介助犬やPR犬が当センターに来るイベントの時などにはご案内を差し上げます。
  2. 介助犬希望や興味のある方には、当センターから日本介助犬協会へ医学的な情報を提供することもできますので、導入がよりスムーズに行えます。
  3. 介助犬導入は、市町村の身体障害者補助犬給付事業を利用することができます。現時点ではご自分で市町村へ申請書を取りに行っていただいていますが、申請用紙の記入を当センターで行っていただけるように準備中です。
  4. 介助犬導入にあたり、介助犬では出来ない不足な部分を補うための、在宅福祉の調整やご家族への指導などを、市町村・福祉事業所などと協力し行っていきます。
  5. 介助犬導入後は、当センターにてユーザーさんの健康管理・生活管理をサポートすることもできます。
  6. 介助犬のユーザーになるためには、介助犬認定訓練所・施設での認定が必要です。当センターでは、訓練所、施設の紹介を行うことができます。

ご質問・お問い合わせの窓口・連絡先

吉備高原医療リハビリテーションセンター 介助犬推進室

 電話 0866-56-7141(代表) FAX 0866-56-7143
 e-mail wanko@kibirihah.johas.go.jp  担当:吉川看護師

介助犬とは

 介助犬は、肢体不自由の方の生活動作を補うよう訓練された犬です。身体障害者補助犬法で定められた認定機関で特別な訓練を行い、厚生労働省の認定試験に合格する必要があります。身体障害者補助犬法では、障がい者の社会参加・自立の促進のために介助犬を同伴して、公立や民間のあらゆる施設(スーパー・映画館・レストラン・公共交通機関・病院など)を利用する権利等、様々な権利が保障されています。ペットは不可と表示された場所でも、認可を受けた介助犬なら同伴することができるのです。

毎日のいろいろ あきらめていませんか?
自分はもう社会には出られないんじゃないか?
そう思っていませんか?
介助犬にはできることがあります。
  1. 長いリハビリを終え、やっと退院。念願の社会復帰です。
  2. しかし、すべての方が会社や学校へすぐに戻ることができるわけではありません。
  3. 「車いすの姿を見られたくない」「知らない人に頼めない」「何かあったらどうするの?」 と家にこもりがちになってしまう方も少なくありません。
  4. ご家族も46時中付き添い、心配と気遣いでついケンカになる、という話も耳にします。中には車イスから落ちて見つけてもらえず、見つかった時には、大きな褥瘡が出来ていたということさえあります。
  5. この「何かあったらどうしよう」を、助けてくれるのが介助犬です。
  6. あなたが困ったとき、誰かを呼びに行ってくれる、必要な物を取ってきてくれる、そして、素敵な笑顔であなたの横を歩き、周囲の人々を優しい気持ちにさせてくれる、安心して「外に行こう」という気持ちが湧いてきます。
  7. あなたの手と社会の手をつなぐ「わんこの手」それが介助犬なのです。

介助犬はどんなことをしてくれますか?

介助作業の一部をご紹介します。

「持ってきて」

  1. 固有名詞を覚えると、定位置の物を持って来たり、特定の物を探して持って来ます。
  2. 特に携帯電話を持ってくる動作は、転倒時など緊急時の連絡手段の確保として重要です。

「呼んできて」

  1. 離れたところにいる 特定の人を探しに行きます。
  2. 見つけたら、足元に座り、前足で合図します。

「ドアを開けて!閉めて!鍵をかけて!」

  1. 色々なドアや窓の開閉ができます。
  2. 鍵の形によっては、施錠も可能です。
  3. 排便中の換気などにも役立ちます。

「靴を脱がせて!靴下も!洗濯かごに入れて!」

  1. 靴や装具のかかとを引っ張って脱がせます。
  2. 指定された場所に持って行ったり、脱がせたものを洗濯かごに入れたりします。

「拾って!」

  1. 落としたものを拾い、手元や膝の上まで持って来ます。
  2. コインやチケットのような小さく薄いものも拾って渡すことができます。

「ご用はいつでも!」

  1. 指示のないときは待機をし、いつでも応じられるようにしています。
  2. 原則として、ユーザーのそばを24時間離れず、車いすの足元に待機するように訓練されています。
  3. 夜間もそばで眠り、指示ですぐ行動、その後またすぐに眠れるので、気兼ねせずに頼めます。

そのほかにも、くわえる・運ぶ・押す等の組み合わせでユーザーのニーズに応じた様々な介助動作が可能になります。

介助犬が来るとどんな効果がありますか?

  1. 「パソコンの作業中落としたスティックを拾ってくれるので、作業をあきらめたり中断したりする必要がなくなった。」「夜中目が覚めて家族を起こさなくても、冷蔵庫からペットボトルを持ってきてくれる。」「別の部屋でおしゃべりをしているお母さんを呼んできてくれる。」など、いつでも自分のためにそばにいてくれるという安心感があります。
  2. 「ご家族も、介助犬となら安心して外出させられるようになった。」「自分の時間を持ち、楽しみができるようになった。」などと言われます。
  3. 車いすの生活で人の手を借りることが多くなり、やるせない気持ちになったとき、自分の世話を必要とし、喜んで応えてくれる介助犬が現れることで責任感が芽生え、自分の存在を再認識できる機会にもなります。人に頼むと「やってもらっている」と思うことでも、介助犬がすると「自分でやった」気持ちになるのだそうです。

どんな人が介助犬ユーザーになれるのですか?

介助犬の話を聞いて、「あっ、いいな」と思っても皆が介助犬ユーザーになれるわけではありません。身体障害者補助犬法で様々な権利を与えられていることに対して、ユーザーとしての義務を果たさなければならないからです。基本的には、18歳から50歳代の身障2級以上をお持ちの、積極的な社会参加を望まれている方が対象となります。

ユーザーはどんなことをしなければならない?

 介助犬を公共の場に同伴するために、清潔に保ち、適切な健康管理を継続することが欠かせません。介助犬の世話は可能な限りユーザーが行うよう、理学療法士や作業療法士が自助具などの工夫をします。それでも不可能な部分は家族や周囲の人々に補ってもらうようになります。ユーザーはその的確な指示が出せるよう訓練段階で学んでいきます。
 介助犬とともに社会生活を続けるため、通常はチームでサポートします。それは介助犬訓練士・医師・獣医師・理学療法士・作業療法士・ソーシャルワーカーなどで構成され、介助犬ユーザーである限り一緒に歩んでいくチームです。吉備高原医療リハビリテーションセンターにおいては、リハビリ科看護師がユーザーの健康管理・生活管理のサポートをすることも可能です。

介助犬を持つ費用は?

 介助犬自体は無償貸与になります。ただし、ドッグフードや介助犬の健康管理にかかる費用など、飼育全般にかかる費用はユーザー負担となります。自治体によっては、飼育費用の一部を負担してくれる制度があります。岡山県では1か月あたり上限6000円の飼育費用が申請できます(H27年度)

介助犬の悩み

 日本の介助犬には、盲導犬と違って「あまり知られていない」という悩みがあります。介助犬に選ばれることが多いレトリバー種は、盲導犬や警察犬、災害救助犬などでの活躍でその訓練性能の高さ、環境への順応性、人間への従順さがよく知られています。ところがそのレトリバーが肢体不自由の方のお手伝いをする,介助という仕事をしていることはあまり知られていないのです。そのため、法律で同伴の権利が保障されているはずの施設やお店に行っても、心ない同伴拒否を受けることが後を絶ちません。介助犬は車イスや装具と同じ、ユーザーの大事な体の一部です。ユーザーの手であり、足であり、心でもあるのです。介助犬拒否はそのユーザーさん自身を拒否したのと同じだと分かっていただきたいと思います。

私たちにできること

 肢体不自由になりこれから前向きに社会復帰を目指す方、すでに社会復帰をされている方のため、より積極的な社会参加・自立手段の選択肢として、介助犬についての情報提供をいたします。また、介助犬の広報活動を行い、有用性や安全性を知っていただくよう努力します。そして、街中で車いすの横を介助犬が歩く姿が当たり前に見られるよう、一人でも多くの方に紹介していきたいと思います。


社会福祉法人 日本介助犬協会のホームページ http://s-dog.or.jp/