診療科・部門

医用工学研究室

 医用工学研究室では、工学的技術(ハードウエア・ソフトウエア・情報の提供)を用いて、障害者(脊髄損傷、頸髄損傷)のQOL向上、社会復帰、家庭復帰支援を行っています。また、病院で働くスタッフの一員として、病院業務(委員会、コンピュータシステム関連等)も行っています。

吉備リハ 医用工学研究室

プレッシャークリニック

圧力計測に基づいた褥瘡予防(プレッシャークリニック)

 プレッシャークリニックでは、各脊髄損傷者に合った褥瘡予防装置の選択・調整、教育・指導を目的に、車いす上座位、ベッド上仰臥位・長座位、便座上座位、自動車のシート上座位などでの座面の圧力を計測しています。

 医師の指示により、研究員が体圧分散測定システム(ニッタ製)を用いて褥瘡発生の可能性の高い部位について圧力測定を行い、計測後、圧力に関する重要な情報を提供しています。圧力計測後、下図のような結果(車いす上座位姿勢の例)を提示し、医師、理学療法士、および作業療法士が脊髄損傷者に説明しています。ここには、圧力から検討した褥瘡発生の可能性が示されています。

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体圧分散測定システム(Big-MAT)
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計測結果の例

車いす上での褥瘡予防

 脊髄損傷者が車いすで社会参加するためには、それぞれの方に合ったクッションの選択、調整が必要です。座面の圧力分布を視覚的に捉えることにより、褥瘡予防をより効果的に行うことが可能です。

ベッド上での褥瘡予防

 脊髄損傷者にとって、褥瘡を予防する目的から、ベット用マットレスの選択、ベッド上での体位変換は必要不可欠です。社会復帰に向け、入院中にマット上での仰臥位、側臥位、ギャッジアップ時の圧力計測を行い、活動性、介護者の力量、寝心地等を考慮して、ベッド上での褥瘡予防のアドバイスを行なっています。

ニューズレター

 これまで得られた知見については、褥瘡対策を行っている医療関係者の方々に、ニューズレターにまとめてお知らせしています。ホームページからもダウンロードできます。

三次元CGを用いた住宅改造支援

 当センターでは、入院されている脊髄損傷の方を対象として住宅改造の支援を行っています。医用工学研究室では、大規模な住宅改造が行われる場合に、三次元CGで作成した家屋図を用いた住宅改造のデモンストレーションを行っています。

 デモンストレーションでは、家屋の鳥瞰図、本人・介護者からの視点図を用いて、改造後の家屋の様子を確認します。さらに、スロープや段差解消機を用いて車椅子で家屋内に入る様子や、リフトを用いた入浴・トイレ移乗などのアニメーションを見ていただき、改造後の家屋内での動線や移乗動作の確認を行っています。

 脊髄損傷者ご本人をはじめ、住宅改造に携わる方々に三次元CGで作成した鳥瞰図やアニメーションを見ていただくことによって、改造後の家屋空間の把握しながら、目的にあった住宅改造をプランニングすることが可能です。

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頸髄損傷者の在宅就労支援

 当センターでは、リハビリテーション治療の一環として、障害を持った方がコンピュータを利用できるよう、支援する取り組みを行っています。

 特に、頸髄損傷四肢麻痺者を対象として、在宅でコンピュータを利用した就労、テレワークやSOHO(Small Office Home Office)を視野に入れながら、実用的な在宅での就労環境を整備することを目標として、頸髄損傷者の在宅就労支援システムを構築しています。

 このシステムでは、チーム医療として医師、作業療法士、医用工学研究員が、患者さんに携わっています。

医師

 頸髄損傷者の障害を医学的に評価し、コンピュータ操作訓練の適応を判断します。

作業療法士

 通常のリハビリテーション訓練と平行して、マウスやキーボードなどのコンピュータ操作訓練と指導を行います。また、住環境の整備においては、コンピュータが使用できるよう環境を設定します。

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医用工学研究員

 コンピュータ操作能力の定量評価システムを用いて、頸髄損傷者のコンピュータ操作を評価します。評価結果に基づいて、市販のマウスやトラックボールなどのポインティングデバイスから適切なデバイスを選択します。また、必要があれば新しいデバイスの開発を行っています。

あご操作マウス

 手でマウスなどの入力機器が操作できない方が、簡単にコンピュータ操作できることを目的として、あごで操作する入力機器を開発しました。

 デバイス中央部であごを動かすことによりマウスカーソルが移動し、本体をあごで押すことによりクリック操作が行えます。

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コンピュータ入力機器の選択と調整

 患者さんには、担当作業療法士による上肢機能の評価結果に基づき、研究室に用意している多くの種類のデバイスを実際に使用していただき、研究員が、希望や感想を聞きながら、その方に合ったデバイスを提示しています。

 希望者には、デバイス間の比較や作業効率の定量評価も行っています。

義肢巡回管理システム

 当センターは、昭和62年より中国、四国地方の19ヶ所で労災切断者に対する義肢支給の巡回サービス(義肢巡回)を行っています。その際、医師や相談室が作成する補装具にかかわる処方箋や書類はほとんど手書きで作成されていました。これらをコンピュータ化するため義肢巡回管理システムを開発しました。義肢巡回の会場においても、過去の処方を参照することが容易にできるようになり、処方が効率的に実施できるようになりました。

 これまでに蓄積された義肢巡回に関する情報をコンピュータで統計処理でき、今後の義肢巡回における義肢の処方に役立てていけるようなります。

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福祉機器開発

住宅改造データ検索プログラムCD

 当センターでは脊髄損傷者を対象とした53件の住宅改造例をデータベース化しています。改造内容や福祉機器等のキーワードで住宅改造データベースの検索が行え、住宅改造の平面図、三次元図、三次元アニメーションによって住宅改造後の生活状況が確認できます。

【販売元】(有)岡山リハビリ機器販売
 TEL:086-242-5500
 E-mail:riha@hashimoto.co.jp

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あご操作マウス(ミレット)

 マウスなどの入力機器を手で操作できない方が、あごによって操作する入力機器を開発しています。中央黒色部分の上(①)にあごを接触させて動かすことでマウスカーソルの移動操作が行え、本体(②)をあごで押すことによりクリックやドラッグなどの操作が行えます。現在お使いのコンピュータに接続するだけで、すぐに使用できます。

【販売元】ダブル技研株式会社
 TEL:046-206-5611
 E-mail:info@j-d.co.jp

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間欠式バルーンカテーテル用自助具
「バルるん」

 手指に麻痺があり、間欠式バルーンカテーテルのバルーンを膨らますことが困難な脊髄損傷者を対象とした自助具です。

 カテーテル先端を膀胱に挿入後、リザーバーとクランプを自助具の内部にセットし、手でふたの上面を押し込むこと、バルーンが膨らみ、クランプを閉じることができます

【製造・販売元】タキゲン製造株式会社
 TEL:078-303-9001
 E-mail:kobe@takigen.co.jp

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携帯酸素ボンベカート

 車輪径が大きく扱いが楽な横押しタイプのボンベカート

 引くタイプの携帯型酸素キャリーカートでは不安定で心もとないと思われる方のために、屋内用の横押しタイプのボンベカートを開発しました。軽い力で操作でき、直進、左右のカーブも安定して使用することができます。車輪も大きく、小さな段差も楽に越えることができ、階段などの大きな段差の場合カートを後ろ向きにして使用します。

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[仕様]全長:35cm、幅:30cm、持ち手高さ:80~100cm、重量:3.3kg

[共同開発] 独立行政法人国立病院機構 南岡山医療センター

車椅子漕ぎ数カウンタ

 自走式車いすを漕いだ時の強さを、弱い漕ぎ、中程度の強さの漕ぎ、強い漕ぎの3段階に分けて、車椅子漕ぎ数をカウントします。

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血糖自己測定時の穿刺器具用自助具

 高齢や手指に麻痺がある方が簡単に穿刺操作を行うことができます。穿刺針(ニプロ製ランセット)の保護キャップを自助具内に挿入し、穿刺器具本体を回転させながら引き抜くと保護キャップが簡単に外れます。穿刺器具本体を自助具内に挿入し、穿刺部に押し当てると穿刺ボタンが押下され穿刺することができます。

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脊髄損傷者用プッシュアップ台

 プッシュアップ動作が可能な脊髄損傷者が、ベッド上での移動時や、車いす・ベッド間の移乗時に使用するプッシュアップ台です。脊髄損傷者が使用することの多い軟らかいベッド上でも沈みにくく、体重をかけた際に台が内側・外側に倒れにくい形状に設計しており、プッシュアップ時の手の損傷を予防します。

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外来受付時間

[午前]8:15~11:30

[午後]予約制

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土・日曜日、祝日

年末年始(12月29日~1月3日)

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