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全国脊髄損傷データベース

全国脊損データベースは、受傷後初回のリハ医療を受けて退院した外傷性脊髄損傷者のデータを集約したものです。

このデータベースは、どのような脊髄損傷者が、どの位の期間のリハ治療で、どのような機能的・社会的アウトカムがえられているのか、その間には合併症がどの程度存在したのかなどを提示しています。

データの提供は全国の労災病院(総合せき損センターと吉備高原医療リハビリテーションセンターを含む)と労災病院以外の神奈川リハ病院、愛仁会リハセンター、千葉県リハセンター、小倉リハ病院、聖マリア病院が参加し、現在、30の医療機関によって成り立っており、1997~2022年度で6,140例のデータが登録されています。

■ English Vision click here (英語版)

全国脊髄損傷データベースで用いるデータ入力、修正プログラムの画面 全国脊髄損傷データベースで用いるデータ入力、修正プログラムの画面

書籍、脊髄損傷者の治療から社会復帰までの表紙画像 書籍、脊髄損傷者の治療から社会復帰までの表紙画像

脊髄損傷の治療から社会復帰まで
全国脊髄損傷データベースの分析から
全国脊髄損傷データベース研究会・編
出版社:保健文化社
2010年9月21日 ISBN:9784938435134
B5版 179p 価格:1,890円(税込)

本データベースの集計結果は、学会発表、論文、出版、インターネットでの掲示の形で公表されています。

平成13年には、「脊髄損傷のoutcome--日米のデータベースより -」が出版され、平成22年には、「脊髄損傷の治療から社会復帰まで」が出版されました。

それ以外にも、これまでに数多くの論文が公表され研究発表がなされています。

本データベースの内容理解の一助として、集計結果の一部をグラフ化して下記に示します。また、これまでに発表された文献の一覧をページ末に示しますので、参考にしてください。

労災病院における脊髄損傷疫学調査 (1997年度~2022年度)

全国にある労災病院と関連施設より寄せられた26年度分(退院年度が1997年度から2022年度までの6140件)の脊髄損傷者データをもとに、受傷時および受傷後の状況・症状について集計したものです。

データ一覧(表データ:pdf形式)はこちらをクリックして下さい。

年度別登録件数

年度別登録件数のグラフ 年度別登録件数のグラフ

2022年度までに6140件のデータが登録されています。2022年度は166件のデータが追加登録されました。

年代別受傷者の割合(年度別)

年代別割合(年度別)のグラフ 年代別割合(年度別)のグラフ

高齢化に伴い、61歳以上の割合が増加しています。

受傷原因別受傷者の割合(年度別)

受傷原因別割合(年度別)のグラフ 受傷原因別割合(年度別)のグラフ

交通事故による受傷の割合が減少し、起立歩行時の転倒による受傷の割合が増加しています。

受傷原因別受傷者の割合(年代別)

受傷原因別割合(年代別)のグラフ 受傷原因別割合(年代別)のグラフ

若年層ではスポーツや交通事故の割合が高く、年齢の上昇とともに転落や起立歩行時の転倒の割合が高くなっています。

交通事故の種別受傷者の割合(年度別)

交通事故の種別割合(年度別)のグラフ 交通事故の種別割合(年度別)のグラフ

交通事故の種別では、4輪車が減少しています。

スポーツ事故の種別受傷者の割合(年度別)

スポーツ事故の種別割合(年度別) のグラフ スポーツ事故の種別割合(年度別) のグラフ

スポーツ事故の脊髄損傷者は少なく、種別受傷者の割合は年度により異なっています。2022年度はその他が4名でした。

脊損高位別重傷者割合(年齢別)

脊損高位別割合(年齢別)のグラフ 脊損高位別割合(年齢別)のグラフ

年齢が高いほど頸髄損傷の割合が高くなっています。

脊損高位別受傷者の割合(年度別)

脊損高位別割合(年度別) のグラフ 脊損高位別割合(年度別) のグラフ

頸髄損傷者の割合が高く、近年腰椎損傷者が少なくなっています。

男女受傷者の割合

男女の割合のグラフ 男女の割合のグラフ

女性の割合は10~20%で推移しています。

入退院時レベル別重傷者の割合(年度別)

入退院時レベル別割合(年度別)のグラフ 入退院時レベル別割合(年度別)のグラフ

ASIA機能尺度の割合は、入院時と比較し退院時のA、B、Cが減少し、D、Eが増加しています。

入退院時FIM平均値(年度別)

入退院時FIM平均値(年度別) のグラフ 入退院時FIM平均値(年度別) のグラフ

退院時FIM平均値は入院時FIMより20~30点ほど上昇しています。年度別の違いには特徴がありません。

合併症の発生者数割合

合併症の発生状況のグラフ のグラフ

麻痺域の痛み・しびれ、痙縮の発生者数が多くなっています。

褥瘡発生者数の割合(年度別)

褥瘡発生者数の割合(年度別)のグラフ 褥瘡発生者数の割合(年度別)のグラフ

褥瘡発生者数の割合は、近年20~30%です。

褥瘡発生者数(入院日数別)

褥瘡発生者数(入院日数別)のグラフ 褥瘡発生者数(入院日数別)のグラフ

入院日数が長くなると、褥瘡発生者の割合が高くなっています。

併存症の発生者数割合

併存症の状況のグラフ 併存症の状況のグラフ

高血圧に次いで糖尿病が多くなっています。

排尿方法別受傷者の割合(年度別)

排尿方法別割合(年度別)のグラフ 排尿方法別割合(年度別)のグラフ

膀胱瘻、自己導尿の割合が減少し、留置カテーテル、自己導尿+間欠式バルーン併用が増加しています。

排便別受傷者の割合(年度別)

排便方法別割合(年度別)のグラフ 排便方法別割合(年度別)のグラフ

自然排便、直腸への薬物使用、直腸への指刺激または摘便、の3種類の割合が多くなっています。

転帰別受傷者の割合(年度別)

転帰(年度別)のグラフ 転帰(年度別)のグラフ

家庭復帰に次いで転科・転院が多くなっています。

文献等資料

【書籍】

  • 全国脊髄損傷データベース研究会 編集: 脊髄損傷の治療から社会復帰まで 保健文化社 2010.
  • 内田竜生、加藤真介、その他 共著 分担: 特集「脊椎背髄損傷 診断・治療・リハビリテーションの最前線」脊椎背髄損傷者の生命予後と死因 脊椎背髄ジャーナル別冊 三輪書店、加藤真介編集273-278 No4.Vol 16,2003.
  • 住田幹男、徳弘昭博、真柄 彰、豊永敏宏、内田竜生 編集: 脊髄損傷のoutcome -日米のデータベースより- 医歯薬出版 2001.

【論文】

[2015年]

  • 横山修、他:高齢頸髄損傷者におけるリハビリテーションの問題点と課題,日本脊髄障害医学会誌, 第28巻,36-43,2015.
  • 横山修、他:高齢頸髄損傷者におけるリハビリテーションの問題点と課題 第2報 ―合併症と介護面の問題点―,日本脊髄障害医学会誌,第28巻,68-69,2015.
  • 松岡美保子、住田幹男:当院を退院した脊髄損傷患者の傾向と追跡調査,日本脊髄障害医学会誌 第28巻 第1号,156-157,2015.

[2014年]

  • 松岡美保子、住田幹男:「脊髄損傷(脊損)外来」開設に先駆けた患者アンケート結果,日本脊髄障害医学会誌 第27巻1号,162-163,2014.

[2013年]

  • 富永俊克、松島年宏、西田周泰、黒川陽子、住田幹男:非骨傷性頚髄損傷の急性期臨床像と手術的治療の検討―全国脊髄損傷データベースの検討からー,平成24年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)リハビリテーション患者データベースを用いた効果的なプログラムに関する調査研究事業に関する研究分担研究報告書,第50回日本リハビリテーション医学会学術集会,2013.
  • 田中宏太佳:医学的リハビリテーションからみた切断・脳卒中・脊髄損傷患者の職場復帰の現状と課題,Jpn. J. Rehabil. Med., 第50巻 1号, 11-15, 2013.
  • 横山修、高内裕史、伊藤良介:C7運動完全麻痺の獲得するADL-年齢による違い-,日本脊髄障害医学会誌 第1巻,84-85,2013.

[2012年]

  • Furusawa K, Tokuhiro A, Ikeda A, Tajima F, Uchida R, Tominaga T, Tanaka H, Sugiyama H, Itoh R, Yokoyama O, Kajino T, Kawazu T, Sumida M., Effect of age on bowel management in traumatic central cord syndrome, Spinal Cord. 50:51-56, 2012.

[2011年]

  • Furusawa K, Tokuhiro A, Sugiyama H, Ikeda A, Tajima F, Genda E, Uchida R, Tominaga T, Tanaka H, Magara A and Sumida M, Incidence of symptomatic autonomic dysreflexia varies according to the bowel and bladder management techniques in patients with spinal cord injury, Spinal Cord 49(1):49-54, 2011.

[2010年]

  • 古澤一成、德弘昭博、元田英一、富永俊克、内田竜生、真柄 彰、楫野知道、田中宏太佳、時岡孝光、伊藤良介、横山修、河津隆三、小川隆敏、住田幹男:リハビリテーションデータベース.脊髄損傷データベース、臨床リハ 第19巻 8号 779-785、2010.

[2009年]

  • 古澤一成、德弘昭博:特集 不全型脊髄損傷の病態と理学療法.不全型脊髄損傷者の疫学と病態、理学療法ジャーナル 第43巻 第3号 187-193、 2009.
  • 内田竜生:脊椎・脊髄損傷者の生命予後と死因、ペインクリニック 第30巻 第6号 791-802、2009.

[2008年]

  • 古澤一成:脊髄損傷リハビリテーション-現状・課題・展望.職業復帰、総合リハ 第36巻 10号 965-968、2008.
  • 住田幹男、德弘昭博、真柄 彰、古澤一成(編):脊髄損傷者の社会参加マニュアル.NPO法人 日本せきずい基金、2008.
  • 富永俊克、黒川陽子、住田幹男、德弘昭博、古澤一成、元田英一:中心性頸髄損傷-急性期臨床像の特徴と治療転帰との関連-、リハ医学 第45巻 4号 218-222、2008.
  • 富永俊克、國司善彦、黒川陽子、住田幹男、德弘昭博、古澤一成、元田英一:中心性頸髄損傷の急性期臨床像の特徴と治療転帰、日本職業・災害医学会会誌 第56巻 第4号 153-158、2008.
  • 古澤一成、杉山宏行、池田篤志、德弘昭博:「わが国における急性期・回復期脊髄損傷者リハビリ治療の現状と展望-2006年-データベース結果を 振り返って」.社会的アウトカムからみたリハセンターの存在価値~脊髄損傷について~、日本脊髄障害医学会雑誌 21巻 1号 28-29、2008.

[2006年]

  • 德弘昭博:脊髄損傷、 臨床リハ 第15巻 第9号 824-830、2006.

[2004年]

  • 德弘昭博、豊永敏宏、住田幹男、真柄 彰、内田竜生、元田英一:頚髄損傷の現状、理学療法 第21巻 第8号 1019-1025、2004.
  • 内田竜生、住田幹男、徳弘昭博:脊髄損傷患者における生活習慣病発症頻度とデータベース調査の問題点:日本職業災害医学会会誌 第52巻 第5号 289-294、2004.

[2003年]

  • 徳弘昭博、住田幹男、真柄 彰、内田竜生、豊永敏宏:脊髄損傷データベースからみた 脊髄損傷リハビリテーションの問題点、日本脊髄障害医学会雑誌 第16巻 第1号 200-201、2003.
  • 内田竜生、住田幹男、徳弘昭博、富永俊克:脊髄損傷患者の復職状況と就労支援、日本職業災害医学会会誌 第51巻 第3号、188-196、2003.
  • 内田竜生、住田幹男、徳弘昭博:脊髄損傷者の自殺とその背景要因、日本脊髄障害医学会雑誌 第16巻 第1号 206-207、2003.

[2002年]

  • 古澤一成:勤労者リハビリテーションの現状と課題「脊髄損傷」.日本職業・災害医学会会誌 50巻 第3号、171-175、2002.
  • 古澤一成、徳弘昭博:職業復帰の現状と問題点.総合リハ 30巻 第3号 225-230,2002.
  • 徳弘昭博:全国労災病院脊髄損傷データベースからみた脊髄損傷.医学のあゆみ  第203巻 第9号、 643-648, 2002.
  • 徳弘昭博:脊髄損傷者のADLゴール設定とクリニカルパス. 日本パラプレジア医学会雑誌 第15巻 第1号 34-35, 2002.

[2001年]

  • Sumida M, Fujimoto M, Tokuhiro A, Tominaga T, Magara A, and Uchida R: Early rehabilitation effect for traumatic spinal cord injury. Arch Phys Med Rehabil 82: 391-395, 2001.
  • 徳弘昭博:中途障害者の職業復帰.日本職業・災害医学会会誌 第49巻 第3号、187-192、2001.

[2000年]

  • 徳弘昭博、富永俊克、住田幹男、真柄 彰、内田竜生:脊髄損傷治療における労災病院の機能-全国労災病院脊髄傷調査から-.日本職業・災害医学会会誌 第48巻 第5号、443-448, 2000.
  • 内田竜生、住田幹男、徳弘昭博、田中宏太佳、村田勝敬:脊髄損傷患者死因統計 -第7報生命表分析について- 日本職業・災害医学会会誌 第48巻 第2号、163-168, 2000. 25. 田中芳則、元田英一:全国脊損情報データベースの構築とその問題点 EIREC研究報告集1999年度、25-30、2000.
  • 徳弘昭博:脊髄損傷者の職業復帰 現代医療 Vol.36, No.6, 1471-1476, 2000.
  • 徳弘昭博:高齢脊髄損傷者のリハビリテーション上の問題点.日本パラプレジア医学会雑誌 13(1), 40-41, 2000.

[1999年]

  • 内田竜生、富永俊克、住田幹男、徳弘昭博、真柄 彰:脊髄損傷者の転帰に影響を及ぼす要因-FIMによる検討- 日本災害医学会会誌 第47巻 第8号 494-499、1999.
  • 内田竜生、住田幹男、徳弘昭博、田中宏太佳、村田勝敬:脊髄損傷患者死因統計ー第6報 標準化死亡比についてー :日本災害医学会会誌 第47巻 第7号 431-436、1999.
  • 真柄 彰、富永俊克、住田幹男、徳弘昭博、内田竜生:全国労災病院脊髄損傷調査 -合併症に関する分析- 日本災害医学会会誌 第47巻 第3号 160-168、1999.
  • 徳弘昭博、富永俊克、住田幹男、真柄 彰、内田竜生:全国労災病院脊髄損傷調査 -職業復帰状況- 日本災害医学会会誌 第47巻 第3号 169-174、1999.

[1998年]

  • 富永俊克、住田幹男、徳弘昭博、真柄 彰、内田竜生:労災病院における外傷性脊髄損傷患者の機能的改善度と社会復帰状況 日本職業災害医学会誌 第46巻 第12号、717-730、1998.

[1997年]

  • 住田幹男、真柄 彰、徳弘昭博、内田竜生:全国労災病院脊髄損傷調査 -その2、社会復帰状況- 日本災害医学会会誌 第45巻 第3号 210-216、1997.
  • 真柄 彰、住田幹男、内田竜生、徳弘昭博:全国労災病院脊髄損傷調査 -その1、発生治療状況- 日本災害医学会会誌 第45巻 第3号 202-150、1997.