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障害者のスポーツ
はじめに
障害者スポーツは、1940年代、英国のストーク・マンデビル病院、脊髄損傷科初代科長のルートヴィヒ・グッドマン医師が、脊髄損傷者の運動の必要性を唱え、リハビリテーションの一環として行ったのが始まりです。2020年、日本では1964年の第2回以来のパラリンピック競技大会(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会)が開催されるため、健常者のスポーツに迫る勢いで、皆の関心が高まりつつあります。
「障害をお持ちの方は、健常者以上に自分の健康に配慮する必要があり、運動やスポーツを日常の生活に取り入れるべきである。」とされています。
このホームページは、障害者スポーツを身近に感じて、楽しさやその(よき)効果を知っていただくこと、一人でも多くの障害者の方に、スポーツをしていただくきっかけになることを願って作成いたしました。
院長 古澤一成
なぜスポーツをした方が良いのか?
意義
「パラリンピックの父」ともいわれるルートヴィヒ・グッドマンは、「障害者スポーツを行うと、身体の調子や心の動きを良い状態に保持することができ、これは社会への再適応を助け、また働いている障害者にとってリクリエイトの理想的形式である」としています。
障害を負うと体を動かす機会が減少し、さらなる機能低下や生活習慣病を生じやすくなります。したがって、健常者以上に自分の健康に配慮する必要があり、スポーツを日常の生活の中に取り組むことが良いとされます。
スポーツは、障害を持ちながら「楽しい」という気持ちを持つことができる活動の一つです。スポーツを始めると、アスリートへの道を歩むチャンスもあります。この場合は、楽しいだけではなく勝利が目標となり、大きな重圧を感じながらの激しいトレーニングが必要となる一方、勝利した時の達成感は大きなものになります。トップアスリートになると、多くのファンの憧れになります。
効果
1)身体的な側面
前述のように、障害を負うと体を動かす機会が減ります。障害をお持ちの方は、健常者に比べて運動不足に陥りやすいことが指摘されています。いうまでもなく、運動は、健康維持・健康増進といった効果があり、健康寿命の延伸のために非常に重要です。
2)精神的な側面
自己の存在価値、満足感の向上やストレスの解消といった効果が期待できます。日本障害者スポーツ協会が実施した調査によれば、この精神的な面での効果はプラスに作用していると回答された方が7割を超えており、他の側面よりも大きな効果が期待できます。
3)社会への参加という側面
スポーツを通じて社会参加し、生活圏が拡大されます。そのことで、仲間づくりや就労などの機会を得ることもあります。社会参加という面では、健常者以上に大きな役割を担います。
当センターにおける「障害者スポーツ」の試み
当センターのおける障害者スポーツの位置づけ
2006年より、入院患者を対象に、リハビリテーション治療としてツインバスケットボールを中心としたトレーニングを実施しています。トレーニングは、競技技術や体力向上だけでなく機能回復に向けたモチベーションの向上にも繋がっています。また、スポーツ活動を通したコミュニケーションの場としても有効です。
近年、障害者スポーツの競技人口が増加し、医療機関の役割も重要視されています。リハビリテーション専門病院として、早期よりスポーツ活動を通して障害を負った方の社会参加に貢献することも、当センターの役割の一つと考えています。当センターの活動が、障害を負った方の退院後の生活において「競技スポーツ」または「生涯スポーツ」になる様に、リハスタッフがサポートしていきます。
ツインバスケットボール体育館トレーニング
ツインバスケットボールは四肢麻痺など比較的重度な麻痺がある方でも可能な競技です。自律神経障害や感覚障害などを考慮してトレーニングの時期を年2回に分けて実施しています。
障害者スポーツの出前出張
学生や地域の方々の障害や障害者対する理解の推進を目的に、2019年より町内の小学校で実際に競技用車椅子に乗車して車椅子ソフトボールを行う「体験型」の授業を行っています。
この体験が障害へのイメージをポジティブなものに転換できる機会となれるよう活動を続けています。
障害者スポーツに関する情報
ツインバスケット大会
年に1度、岡山、香川、愛媛県で活動しているツインバスケットボールチームを当センターに招待しています。実際に活躍している選手たちのスピーディーな試合を目の前で見ることができ、選手との交流試合も行っています。
ふれあいロードレース
緑あふれる吉備高原で、車椅子ランナーと一般ランナーが、同じコースを走り、お互いの理解を深め交流を広めるとともに、競技力向上と、健康や体力づくりを目的とし、1988年より毎年秋に開催しています。
岡山県車椅子ソフトボールチーム結成
車椅子ソフトボールとは車椅子に乗ったままソフトボールを行うスポーツであり、障害の有無に関係なく参加できるインクルーシブスポーツです。それを普及させるため、2018年10月に岡山県初となる車椅子ソフトボールチーム「岡山フェザントス」を設立し、週1回の定期練習を行っています。体験会では、地域の方々にも一緒にプレーして、このスポーツの良さを実感していただいています。
パラリンピックを目指すアスリートの紹介
~当センターでリハビリ医療を受けた方々~
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